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して、安静、保温、食事療法、水分摂取などがありますが、特に食事療法では全身の栄養状態に注意して、高カロリー、高蛋白、ビタミン補給を心掛けます。
直接食事や水分が取れない場合は、点滴を考慮します。
対症療法として、発熱には、氷嚢、解熱剤の投与を、咳、痰には、鎮咳剤や去痰剤を投与します。
化学療法として、肺炎の病原菌に合わせた抗生物質の投与が肺炎の治療として一番重要です。
次に、肺炎の予後、経過についてお話しします。
肺炎による死亡率は、年齢の増加とともに上昇します。
患者さんの病態や病原菌の種類によっても予後が異なるので、経過の観察が必要です。
予後を左右する因子として、年齢、病変の広がり、呼吸不全の程度、脱水症状の有無、末梢血液、血液生化学検査データなどがあります。
細菌の抗生物質の急速な開発に伴って、肺炎は、かなり治癒することが多くなってきていますが、老人や基礎疾患を有する患者さんでは、致命的な病気の一つに入ります。
ここまで、肺炎に対する概略的な説明をしました。
最後に、肺炎に対する一般的な注意事項をお話しします。
咳や痰が続き、発熱しているときには、必ず医療機関で診察を受けること、船の上で同様の症状で発病している場合は、抗生物質、抗炎症剤を必ず与えることが必要です。
それ以前に、全身状態の自己管理、十分な睡眠、食事による栄養状態の保持などの一般的注意が大事です。
これから、寒くなるにつれ、風邪から気管支炎、さらに肺炎を起こす確率が高くなります。
今までに説明したことに、十分留意して肺炎にならないように注意してください。

 

 

 

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